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メソサウルスの胎児の化石が発見されました。
ブラジルの約2億8000万年前(古生代ペルム紀前期)の地層から,腹部に胎児の化石のあるメソサウルスの化石が発見されました。羊膜類の胎児の化石が古生代の地層から発見されるのは,初めてです。
(4/11 AlphaGalileo Foundation,The oldest known amniotic embryos suggest viviparity in mesosaurs. Historical Biology, 1-11)
またウルグアイの約2億8000万年前の地層からも,成体のメソサウルスの化石と一緒の状態の,胎児または孵化したばかりの幼体の化石が26体発見されています。これらのほとんどは,子宮の中に入っている胎児の化石だと研究者は考えています。またウルグアイからは,成体と一緒ではないメソサウルスの化石も発見されています。これはメソサウルスが卵が成長してから産み,短い期間だけ温めていたからだと,研究者は考えています。
妊娠したメソサウルスの腹部には,ほとんどの場合,1体の胎児の化石しか含まれていなかったそうです。また孵化したばかりと思われる幼体が非常に小さかったことから,親が世話をしていた可能性もあると,研究者は考えています。
2012/4/15
魚竜化石の保存状態は,腐敗ガスの影響をほとんど受けていなかったらしいということがわかりました。
ドイツのホルツマーデンには,中生代ジュラ紀前期(約1億8000万年前)の地層が分布しています。ホルツマーデンは,魚やクビナガリュウ,魚竜などの化石が,全身骨格がそろった完全な状態で産出することで有名です。お腹に胎児を抱えた魚竜の化石も産出します。しかし,この"妊娠した"魚竜の化石が非常に奇妙な状態で産出することがあります。母親の化石は骨がつながった,ほぼ完全な状態で化石化しているのに,胎児の化石はばらばらになり,母親の体の外に散乱しているのです。これは死骸が破裂したためだと一般に考えられています。死骸が腐敗する過程で腐敗ガスが体内にたまり,この結果死骸が膨らんで破裂したというものです。
(3/28 AlphaGalileo Foundation,Float, explode or sink: postmortem fate of lung-breathing marine vertebrates. Palaeobiodiversity and Palaeoenvironments, 92(1), 67-81)
しかし今回,物理学的,生物学的に詳しく調べた結果,胎児の骨が散乱する現象は,死骸の破裂が原因ではなかったらしいということがわかったそうです。
魚竜の死骸の体内で発生したガスの圧力を推測するため,ヒトの体内で発生するガスの圧力が調べられました。多くの魚竜とヒトは体サイズが同じくらいです。このため,魚竜とヒトの腐敗で発生するガスの量は同じくらいであろうと研究者は考えました。この結果,ヒトの体内で発生する腐敗ガスの圧力は0.035バールしかなかったそうです。魚竜の死骸が沈んでいた場所の水深は50m〜150mと推測されています。この水深で死骸が破裂するには,5バール〜15バールの圧力が必要だと考えられています。0.035バールでは死骸が破裂することはないと研究者は考えています。
胎児の骨が散乱しているのは,死骸が破裂したからではなく,死骸が完全には分解されていない状態で,小さな水の流れによって胎児の骨が母親の体の外に運ばれたためであろうと研究者は考えています。
2012/3/31
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白亜紀の新種のカメの化石が発見されました。
スペインの中生代白亜紀末期の地層から,ほぼ完全なカメの化石が発見されました。他のカメには見られない独特の特徴をもつことから,研究者は新種と考えています。Polysternon isonaeと名付けられました。
(2/27 AlphaGalileo Foundation,The youngest species of Polysternon: A new bothremydid turtle from the uppermost Maastrichtian of the southern Pyrenees. Cretaceous Research, 35, 133-142)
P. isonaeは淡水に適応し,川に棲んでいたと考えられています。
Polysternon属は白亜紀の終わりに絶滅したと考えられています。今回P. isonaeが発見されたのは白亜紀の終わりに最も近い地層であるため,P. isonaeはPolysternon属の中で最も最近まで生きていた種であると研究者は考えています。
2012/3/5
平べったい頭部をもつワニ類の化石が発見されました。
モロッコの約9960万年前〜約9360万年前(中生代白亜紀後期)の地層から,新種のクロコダイル型類の化石が発見されました。
(A New Eusuchian Crocodyliform with Novel Cranial Integument and Its Significance for the Origin and Evolution of Crocodylia. PLos ONE, 2012, 7(1))
このクロコダイル型類の頭部は非常に長く平らで,顎が大きく噛む力が強かったと研究者は考えています。その頭骨の大きさから,体も非常に大きかったと考えられています。
このクロコダイル型類は,現生のワニにつながる最古の正顎クロコダイル型類であると研究者は考えています。このことから,現生のワニの起源はテチス海周辺にあると研究者は考えています。
2012/2/6
盤竜類がこれまで考えられていたよりも長く繁栄していたらしいということがわかりました。
南アフリカ共和国の古生代ペルム紀中期(約2億6600万年前〜約2億6000万年前)の地層から,盤竜類の化石が発見されました。これは知られている盤竜類の化石の中で最も新しいものだそうです。
(The last 'pelycosaur': a varanopid synapsid from the Pristerognathus Assemblage Zone, Middle Permian of South Africa. Naturwissenschaften, 98 (12), 1027-1034)
この盤竜類の歯は薄く後ろにカーブし,そして鋸歯が発達しているそうです。これらの特徴から,この盤竜類は食物の70%以上を肉が占めるhypercarnivoreだったと考えられています。またこの盤竜類は,ペルム紀中期の末期の動物相の中で最も小さい捕食者だったと考えられています。ペルム紀中期(約2億7100万年前〜約2億6000万年前)を通して,この盤竜類がほぼ世界中に分布していたと研究者は考えています。
2011/12/8
軟組織が保存されたモササウルス類の化石が発見されました。
アメリカ合衆国カンザス州の中生代白亜紀後期(約8580万年前〜約8350万年前)の地層から,軟組織が保存されたモササウルス類の化石が発見されました。
(11/16 ScienceDaily,Three-Dimensionally Preserved Integument Reveals Hydrodynamic Adaptations in the Extinct Marine Lizard Ectenosaurus (Reptilia, Mosasauridae). PLoS ONE, 6 (11))
これまでモササウルス類の動きは骨の化石からしか推測することができませんでした。これまでモササウルス類はウミヘビのように体をくねらせて泳いでいたと考えられてきました。この泳ぎ方では泳ぐ速度が速くないため,モササウルス類は獲物を待ち伏せて襲っていたと考えられています。
今回軟体部が保存された化石が発見されたのはエクテノサウルス(Ectenosaurus clidastoides)です。うろこと皮膚が残っていたそうです。うろこと皮膚の特徴から,エクテノサウルスは泳いでいる間摩擦による抵抗を最小にできたと研究者は考えています。また胴の前方は泳いでいる間多少固定され,胴の後方と尾の動きで前進していたとと研究者は考えています。
2011/11/17
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翼開長7mの歯のある翼竜がいたらしいということがわかりました。
翼竜には歯のあるタイプとないタイプがいます。歯のある翼竜のほとんどは翼開長2〜3mと比較的小柄ですが,オルニトケイルス科の翼竜だけは翼開長6m以上の大きな体をもちます。
(10/13 University of Leicester,The world's largest toothed pterosaur, NHMUK R481, an incomplete rostrum of Coloborhynchus capito (Seeley 1870) from the Cambridge Greensand of England. Cretaceous Research, In Press)
今回,ロンドンの自然史博物館に所蔵されているオルニトケイルス科の化石を使って,その体サイズが推定されました。この化石はColoborhynchus capitoのものと考えられる上顎の先端の骨で,折れた歯が何本かついています。C. capitoの化石はこれまで破片が数点発見されているのみで,この翼竜の大きさはわかっていませんでした。しかし最近,ブラジルからC. capitoに非常に近いオルニトケイルス科のほぼ完全な化石が発見されました。このブラジルから発見された翼竜の化石をもとに,C. capitoの大きさが推定されました。
この結果,C. capitoは翼開長7mと,歯のある翼竜の中では最大サイズの大きさをしていたらしいということがわかったそうです。
2011/10/17
新属新種のクロコダイル型類の化石が発見されました。
コロンビアの新生代古第三紀暁新世中期(約6000万年前)の地層から,クロコダイル型類のディロサウルス科のワニの化石が発見されました。
(9/14 University of Florida News,A new longirostrine dyrosaurid (Crocodylomorpha, Mesoeucrocodylia) from the Paleocene of north-eastern Colombia: biogeographic and behavioural implications for New-World Dyrosauridae. Palaeontology, 54(5), 1095?1116)
ディロサウルス科の化石はこれまで南米でしか発見されておらず,コロンビアからは2例目の発見になります。新属新種と考えられ,Acherontisuchus guajiraensisと名付けられました。川などの淡水域に棲息していたと考えられています。吻部が細くて長く,とがった歯ばかりが生えていることから,肺魚や硬骨魚を食べていたと研究者は考えています。
白亜紀後期(約7500万年前)にアフリカで出現したディロサウルス科のワニも,これまでコロンビアで唯一発見されていたCerrejonisuchus improcerusも,A. guajiraensisとは異なり幅広い吻部をもちさまざまなものを食物としていたと考えられています。これまで原始的なクロコダイル型類はみな,このような生態だったと考えられてきました。しかし今回の発見により,非常に特殊化した特徴をもつ種類もいたらしいということがわかりました。
2011/9/18
クビナガリュウが胎生だった証拠が発見されました。
クビナガリュウは陸上では自分の体重を支えられず,陸上に上陸して卵を抱えることはできなかったらしいと考えられています。このためクビナガリュウは胎生だったと考えられてきましたが,これまでその証拠は発見されていませんでした。
(8/11 National Geographic News,Viviparity and K-Selected Life History in a Mesozoic Marine Plesiosaur (Reptilia, Sauropterygia). Science, 33(6044), 870-873)
1987年にアメリカ,カンザス州の中生代白亜紀後期(約7800万年前)の地層から発見されたクビナガリュウの化石の腹部に,もう1体別のクビナガリュウの化石があるのが発見されました。これは胎児を抱えた母親の化石だろうと考えられています。胎児の化石には肋骨,20個の椎骨,肩,腰,そしてヒレの骨があるそうです。胎児の体は母親の体に対してとても大きいそうです。現生の動物ではこのような大きな子どもを1体だけ産む動物は,群れで生活して産まれた子どもを育てていることから,クビナガリュウも同じように子育てをしていたのだろうと研究者は考えています。
2011/8/12
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翼竜は鳥類との競争に負けて絶滅したのではないらしいということがわかりました。
翼竜は中生代三畳紀後期(約2億2000万年前)に出現し,白亜紀末(約6550万年前)に恐竜とともに絶滅しました。これまで翼竜は鳥類との競争に負けて絶滅したと考えられてきましたが,どうもそうではないらしいということが今回発表された論文でわかりました。
(Paleobiology and Biodiversity Research Group)
今回,50種の様々な翼竜について,いつ出現していつ絶滅したのか,またどのような身体的特徴をもち,どのような環境に適応していたのかが調べられました。
この結果,出現してから7000万年間は翼竜の多様性は低く,鳥類が出現した中生代ジュラ紀後期(約1億5000万年前)以降に多様化し始めたらしいということがわかったそうです。翼竜は中生代白亜紀前期(約1億2500万年前)に最も多様化したと研究者は考えています。その多様性は始祖鳥やほかの鳥類が出現する前のジュラ紀に比べて3倍という結果が出たそうです。約1億2500万年前には鳥類もまた多様化していました。
またサイズなどの身体的特徴をグラフに表してグループ分けを行ったところ,原始的なグループであるランフォリンクス類と進化したグループであるプテロダクティルス類は全く異なる傾向をもつことが分かったそうです。またプテロダクティルス類はランフォリンクス類に比べて多様性が非常に高いのも特徴です。プテロダクティルス類には頭部に大きなトサカをもつタペジャラや,翼開長12mもの巨大なケツァルコアトルスなどがいます。
翼竜は鳥類と棲み分けを行っており,鳥類との間に競争は起きていなかったと研究者は考えています。
2011/7/7
ワニと鳥類が従来考えられていたよりも早く分かれたらしいということがわかりました。
ワニと鳥類は恐竜とともに主竜類というグループに属します。これまでワニと鳥類は中生代三畳紀前期(約2億5100万年前〜約2億4600万年前)に共通の祖先から枝分かれしたと考えられてきました。
(5/18 University of Washington,A sail-backed suchian from the Heshanggou Formation (Early Triassic: Olenekian) of China, Edinburgh Earth and Environmental Science Transactions of the Royal Society of Edinburgh, 101, 271-284)
今回,1970年代に中国で発見された背中に帆をもった爬虫類の化石が詳しく再調査され,その分類が調べられました。この爬虫類の名はXilousuchus sapingensis。これまで,主竜類に近い仲間のarchosauriformと考えられてきました。
しかしその骨を詳しく調べた結果,ほぼ全てのarchosauriformとは異なる特徴をもつことがわかったそうです。研究者はX. sapingensisは主竜類,さらに詳しく言えば原始的なワニだと考えています。
また今回の研究で,X. sapingensisが発見された地層の年代が約2億5200万年前〜約2億4700万年前だということがわかったそうです。これにより,ワニと鳥類が従来考えられていたよりも早く分化したらしいということが示唆されます。
2011/5/22
超大陸パンゲアでは,気候によって棲み分けがされていたらしいということがわかりました。
中生代三畳紀中期〜後期(約2億3000万年前〜約2億年前),地球上の大陸は1つに集まり,巨大な超大陸パンゲアを作っていました。
(5/12 Brown University News and Events,Climatically driven biogeographic provinces of Late Triassic tropical Pangea. Proceedings of the National Academy of Sciences, 108(22), 8972-8977)
北米大陸東部に分布する,パンゲアの南緯3度から北緯26度で堆積した地層を調べたところ,山脈などの移動の障壁となる地形が無かったにもかかわらず,キノドン類は北緯6度の限られた地域に分布し,プロコロフォン類は北緯5度〜20度の地域に分布していたらしいということがわかったそうです。
これらの生物が棲息する地域の気候を調べたところ,キノドン類が棲息していた地域では年に2回雨季があり,プロコロフォン類が棲息していた地域では雨季が年に1回しかなかったらしいということがわかったそうです。これはキノドン類が湿潤な気候を好み,プロコロフォン類が乾燥した気候に適応していたためと研究者は考えています。
2011/5/15
下顎に傷跡のある魚竜の化石が発見されました。
オーストラリア南部の中生代白亜紀前期(約1億4600万年前〜約9960万年前)の地層から,下顎に治癒した傷跡のある魚竜の化石が発見されました。このように傷のある魚竜化石の発見は非常に珍しいです。
(5/4 Uppsala Universitet,Healed bite marks on a Cretaceous ichthyosaur. Acta Palaeontologica Polonica)
この傷は捕食者によって付けられたものではなく,求愛や,食べ物,交配相手,縄張りなどを争っている間についたものだと研究者は考えています。
2011/5/8
最古の歯周病の証拠が発見されました。
アメリカ合衆国オクラホマ州の古生代ペルム紀前期(約2億7500万年前)の地層から採集された爬虫類Labidosaurus hamatusの化石に,歯周病によって歯が抜け,骨が溶けた症状があるのが発見されました。これまで発見されていた口や歯の病気は,約7000万年前のものが最古でした。
(4/18 USATODY.com,Osteomyelitis in a Paleozoic reptile: ancient evidence for bacterial infection and its evolutionary significance. Naturwissenschaften, 98(6), 551-555)
L. hamatusの保存の良い標本数点の顎の化石が調べられました。1標本では歯が抜け,顎の骨が溶けているのが発見されました。これはひどい歯周病の結果だと考えられています。
爬虫類の祖先が陸上生活に適応したとき,他の動物や植物を効率的に食べられるような歯や頭蓋骨を進化させました。原始的な種類では歯は最初連続的に生え変わっていましたが,進化したものではほとんどあるいは全く生え変わらない歯をもつものが出現しました。L. hamatusの歯も生え変わらなかったと考えられています。Labidosaurusやその仲間が世界中に大量に分布していることは,この種類が成功したことを示していると考えられています。
しかし歯が生え変わらなくなったことにより,歯周病になる可能性は大きく増加したと研究者は考えています。これはひどく磨り減ったり損傷したりした歯の歯髄腔が,歯が頻繁に生え変わる動物よりも口の中の細菌にさらされる時間が長くなるためだと研究者は考えています。
2011/4/24
ブラジルから原始的なワニの化石が発見されました。
ブラジルの中生代白亜紀後期(約9960万年前〜約6550万年前)の地層から,ほぼ完全なクロコダイル型類の頭骨の化石が発見されました。
(3/30 National Geographic News,On a new peirosaurid crocodyliform from the Upper Cretaceous, Bauru Group, southeastern Brazil. Anais da Academia Brasileira de Ciências, 83(1), 317-327)
クロコダイル型類とは現生のアリゲーターやクロコダイル,カイマンなどが含まれるワニ目に属する原始的なワニです。
Pepesuchus deiseaeと名づけられたこのワニは現生のワニとほとんど変わらない形をしていたそうです。このことから,ワニ型類はほとんど形を変えることなく異なる環境に適応していったのだろうと研究者は考えています。
2011/4/3
世界で2番目に古いプテラノドン科の化石が発見されました。
アメリカ合衆国テキサス州の中生代白亜紀後期(約8900万年前)の地層から,翼竜の化石が発見されました。
(Earliest Occurrence of the Pteranodontidae (Archosauria: Pterosauria) in North America: New Material from the Austin Group of Texas. Journal of Paleontology, 84(6), 1071-1081)
今回発見された上腕骨の化石にはプテラノドン科に特徴的な反った三角形の突起があるため,この翼竜はプテラノドン科の翼竜であると考えられています。プテラノドン科の化石としては北米では最古,そして世界でも2番目に古い化石になります。
またこの上腕骨はプテラノドンの上腕骨に非常に良く似ているそうです。プテラノドンと断定できる特徴は残っていませんが,もしこの化石が本当にプテラノドンの化石なら,北米では最も南で発見されたプテラノドンの化石になります。
2011/3/6
卵を抱えた翼竜の化石が発見されました。
中国の中生代ジュラ紀後期(約1億6000万年前)の地層から,腹部に卵のある翼竜の化石が発見されました。
(1/20 ScienceDaily,An Egg-Adult Association, Gender, and Reproduction in Pterosaurs. Science, 331(6015), 321-324)
今回卵と一緒に発見された個体は雌だと考えられています。このように性別がはっきりとわかる発見は非常に珍しく,翼竜では初めてです。今回発見された翼竜はDarwinopterusという属でトサカをもっていますが,今回発見された個体にはトサカが無いそうです。また今回発見された個体の腰部は比較的大きいそうです。これは卵が通るスペースを確保するためで,これも雌だということを示す特徴だと研究者は考えています。一方トサカのある個体の腰部は比較的小さいそうです。このことから雄だけがトサカをもち,ライバルを威嚇するのに使ったり,雌にアピールするのに使っていたと研究者は考えています。
多くの翼竜にはトサカがあります。このトサカの役割については長い間わかっいませんでした。トサカがあるものが雄,無いものが雌,という可能性も考えられてきましたが,性別を確定する証拠がこれまで発見されてこなかったため,トサカがあるものと無いものが別種にされることも多くありました。今回の発見により,翼竜のオスと雌の割合や行動を調べることができるようになるとともに,これまで別種とされてきた種を1つの種として統合することができると研究者は考えています。
2011/1/23
水中生活に適応したワニの新種の化石が発見されました。
1955年にイタリアで採取された中生代ジュラ紀中期(約1億7200万年前〜約1億6800万年前)の石灰岩にワニの骨が入っているのが発見され,詳しく調べられました。
(12/30 National Geographic News,The oldest known metriorhynchid crocodylian from the Middle Jurassic of North-eastern Italy: Neptunidraco ammoniticus gen. et sp. nov. Gondwana Research, 19(2), 550-565)
この結果,このワニは海に棲息していたメトリオリンクス科の新種とわかり,Neptunidraco ammoniticusと名づけられました。N. ammoniticusは体長約4m。流線型の頭部に水の流れに抵抗の無い形の体,そしてサメのヒレのような形の尾をもっていました。現生のワニよりはイルカに似ており,完全に水中での生活に適応していたと研究者は考えています。
メトリオリンクス科の化石は世界中で発見されていますが,かつてテチス海だった地層で発見されたのは今回が初めてです。このことから,メトリオリンクス科はこれまで考えられていたよりも繁栄していたと研究者は考えています。
N. ammoniticusはメトリオリンクス科では最古の種になります。メトリオリンクス科と現生のワニにつながる系統は約1億7200万年前に枝分かれしたと研究者は考えています。
2011/1/3
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