2012年2月1日水曜日

統合失調症、低血糖症、うつ病

今日は、土曜日ということもあると思いますがお子さんの受診がとても多かったです。
少し経過をお伝えしようと思います。

7歳 男の子

昨年から栄養療法を継続しています。
初診時には、感情の起伏が激しく手がつけられない状態になり姉妹や母親に強くあたることがしばしばでした。
寝相が悪く、歯ぎしりは毎晩。目覚めがわるく朝の機嫌が悪い状態でした。
甘い物が大好きで、家出も学童でもチョコレートやキャンディを毎日・・・。

2ヶ月後の受診で、友達との喧嘩がなくなり、夜の歯ぎしりがなくなり夜に叫ぶことが無くなる。

半年後の検査結果では、血糖値の乱れが少なくなり、鉄やビタミンB群の不足が改善されてきていました。
お子さん本人も、友達との争いもなく家でも穏やかに過ごす方が心地よいようで、甘い物などは自分から食べることも無くなってきています。

診察室をでるときに、ペコッと頭を下げてお礼を言ってくれる姿がとってもかわいく、そして少し嬉しい感動がありました。

10歳 女の子

このお子さんは1年以上この治療を続けてくれています。
初診の頃には、疲れやすく頭痛が頻繁で、授業にもついていくことができず学校も休みがち。
さらに漢字がどうしても鏡文字になってしまったり位置関係を正しく書くことができませんでした。
体調や感情にも波があったため、友達とも人間関係を作ることができないでいました。

今日は、7回目の血液検査を受けに来てくれたのですが、また前回よりも素晴らしい改善傾向を話してくれました。

字をかくことが苦手だったのに、今では漢字の練習も集中してできるようになっているそうです。
そして自分からわからない漢字は辞書で調べ、詩を書くようになっているのです。

その詩の内容も、自分がいままで経験してきたことや、友達って良いもんだなぁ〜〜という素直な感情をつづっているとのことです。
その詩を読んで、お母さんは感動したそうです。
小さいときから子育てで悩み、以前は発達障害などと診断されていた経緯があることからも嬉しいことと思います。

4歳 女の子

自閉症と診断され、少しでも改善できればと昨年に新宿を受診してくれました。
幼稚園では、集団とおなじことは全くできず、すぐに立ち上がり動き回り予想ができない行動をしてしまっていました。

それが先日の幼稚園でのお遊戯会では、ステージに上がり皆ととりあえず一緒の行動を取っていたというのです。さらにじっとお座りもできるようになり幼稚園の先生もびっくり。

顔を描くこともできるようになり、診察室でもアンパンマンのキャラクターを描いていました。
まだ手足をつけることはできないそうです。
言葉にも大きな変化がでてきて、以前は片言1〜2語だったものが、『楽しい〜』『怖い・・』など、自分の内面の状況を話すようになっています。

また信号でも飛び出すことが無くなったので、今では幼稚園のお兄ちゃんやお姉ちゃんたちと集団下校もできるようになっています。

お母さんは、ここまで改善するとは思っていなかったと話されていました。
顔にも表情が豊かになり、今後の経過が楽しみです。

11歳 男の子

今までは漢字がぐしゃぐしゃで、位置関係を正しく書くことができませんでした。
また興味がないものには、集中することができずフラッと教室を出て行ってしまったり・・・

今日の外来でちょうど1年たちました。
学校でも落ち着きが出てきて、漢字練習にも集中して取り組み、工作の時間もじっと座って最後まで集中することができるようになっています。
また困っている友達がいると、自然に手をさしのべたりするようになっているそうです。

このことは周囲にも興味がでてきて、周りの人との関係を作るようになっていることを示すものです。
今しばらく継続いただき、また血液検査で身体の状態の変化を確認していきたいと思います。

そしてもうお一人、お子さんではありませんが 22歳の女の子です。

2年前からこの治療を継続してくれています。
初診時は、とても強い抗うつ剤、睡眠薬、抗不安薬、それに副作用のための便秘へのお薬・・・
それでも精神状態が不安定で、眠れず中途覚醒があり、肌もにきびがひどい状態でした。

栄養療法によって体調がよくなり体重も減りました。昔のジーパンがはけるようになり肌もきれいに・・。
さらに睡眠薬がなくても眠れるようになります。
昨年から徐々にアルバイトも始めました。
ちょっと早いかな・・・とも思いましたが、問題無くアルバイトを継続

今日の外来では、車を運転してアルバイトに行っている。
楽しくできているし、相談しながらもう少しバイトを増やそうと思っているとのことです。

決して無理している雰囲気はなく、このまま活動を広げても問題はなさそうでした。

あのまま投薬だけの治療が継続していたら、今ではもっとお薬が増えていたことでしょう。
若い女性の患者さんにとっては、本当に人生に大きな違いがあると思います。

とてもキレイにになりかわいい女性になられる姿を見ると、本当に嬉しく思うのです。
精神疾患の診断と治療(投薬)には、細心の注意を払わなくてはなりません。

今日ご紹介した小さなお子さんたちも、これからさらに心の発達をみせてくれることでしょう。
その発達を阻害することは、医療従事者としては最もやってはいけないことなのです。

Related Posts



0 コメント:

コメントを投稿