2012年2月25日土曜日

芸術の分類は何ですか

芸術とは何か


私の専門でもある声楽をも含めた芸術とは、いかなるものであるのか?

残念ながら私は詩人でも哲学者でもないので、その意味するところを
適切に表現することは出来ないかもしれない。
私は歌い手であるから、私の歌を通して、その私が表現している何ものかを感じて頂くことが、
一番だと思う。

しかし、あえてそれを言語化するとするならば、人間の心を激しく揺り動かす、
喜怒哀楽のあらゆる感情が表現されたものであり、
また、喜怒哀楽の感情を超えた美意識が表現されたものでもあろう。

それでは美とは何なのであろうか?
真善美という言葉があるが、美とは人生の真実でもあり真理でもあるだろう。人生哲学でもあろう。
また、無限に善きことでもあろう。難解な概念かもしれないが� ��無限に善いとは、
相対的な善悪を超えた絶対的な善であるということでもある。

また美とは、時には愛であるかもしれない。
しかし、美においての愛は、愛憎というように対比されるべき愛ではなく、愛憎をも超えた絶対的な愛なのである。

あまりに難解になり過ぎてはいけないので、深入りはしないが、分かり易く言えば次のようなことだ。


S字曲線を発明した人の名前

相対的な善や愛の中に美を見出すことは、誰にでも出来るかもしれない。
しかし、時に芸術家とは善だけではなく悪の中にも、愛だけにではなく憎悪の中にも美を見出すものである。

芸術家の視点においては、幸福=美、不幸=醜というような単純なものではないのである。

芸術作品の中には悲劇的な題材がとても多い。
オペラにしても、ハッピーエンドのものより、悲劇の方が、はるかに多いであろう。
そして悲劇は、人の心を強く揺り動かす。

私は、この辺りに、芸術の存在意義の一つを見る。
もし、世の中に幸せなことしかなかったらどうであろうか?

しばらくの間は天国にいるかのようであろう。
しかし、もし世の中に幸福しかな� ��のであるならば、それは、ある意味で単調で退屈な世界かもしれない。
私は、そのような単調で退屈な世界を、人間が本質的に望んでいるわけではないと思う。

人間とは変化を望む存在なのだと思う。だから人は停滞を嫌う。
どんなに幸せでも、同じ状態が続けば、それは停滞を意味しよう。

変化があるからこそ、私たちは感性豊かに、ドラマチックな人生を歩むことが出来るのである。
飽きることのない人生を感動的に生き続けることが出来るのである。


用語のboolean *はどこに由来するか

この世界は全てが相対の世界。
昼かあれば夜があり、光があれば陰があり、陰があれば陽がある。幸せがあれば不幸がある。

でも幸せがなければ不幸もないし、不幸がなければ幸せもないと思う。
世の中に幸せしかなかったら、当たり前過ぎて、自分たちが幸せだとも思わないだろう。
逆に、世の中に不幸しかないとしたら、それも当たり前で、幸せになりたいとは思わないだろう。
どちらも変化の乏しい、単調で無感動な世界である。

不幸があるからこそ、幸せの価値が分かる。ありがたさが分かる。
もし、世の中に病気も事故もなかったら、私たちには健康の素晴らしさ、ありがたさは分からないであろう。
恋が成就することの難しさを知る人ほど、恋が成就することの素晴ら しさを知る。

このように人間とは、幸福な人生、平穏無事な人生を願いながらも、本質的には、
幸福も不幸も交互に体験するような変化の激しい劇的な人生を求めているのだと思える。
数十年の人生を送っている人を観察して、ずっと幸せなことしか起きなかった人や、
ずっと不幸なことしか起きなかった人がいるとは考えにくいのが何よりの証拠だ。


星条旗とその意味

そして、幸福から不幸へと両極端に揺れる変化の激しい人生の中で、様々な体験をして、
感性を豊かにしていくことこそが、すなわち、人間としての器を、より大きくしていくことこそが、
人生の目的なのではないかと私は思う。

しかし、通常、私たちが80年ほどの人生で体験できることには限度がある。
例えば、男として生まれたならば、女としての人生は体験できない。
女として生まれたら、男としての人生は体験できない。
私のような道を選んだら、スポーツ選手としての人生も、漁師としての人生も体験できない。

また、いかに私たちが本質的に変化を求めているとはいっても、あまりにも変化の激しい人生では、
疲弊し切ってしまうだろう。

< p>そこで芸術の登場である。
芸術作品の中で、私たちは、様々な人生を疑似体験することができる。
実際の人生の中では経験できないような、様々なことを擬似的に経験できる。

芸術作品の中では、男であっても、女性としての人生を経験することもできる。
様々な職業を経験すことも出来る。
一日の中で、最高に幸せな人生から、最も不幸な人生までをも経験することができる。


私たちは、芸術に親しむことによって、一人で何十人分、何百人分、時には何千人分もの人生を経験し、
自らの感性を磨き、人間としての器を広げ、大きく成長していくことが出来るのである。

芸術とは相対的な世界であるこの世の中において、幸不幸の両極の存在意義を教え、
その相対を超えた絶対的な価値に気づいていくための最適のガイドであると言えるだろう。

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