2012年2月23日木曜日

溶岩がどのように暑いです

ハワイ島 和田探検隊日誌: 溶岩 火山情報

先日、当ブログで一報を入れた12/13/2011に誕生した新しいオーシャンエントリーまで歩いてきましたので、その詳細をご報告します。

キラエウアで溶岩を見たいという人には、本当にヤキモキした長い沈黙でした。カラパナで溶岩流やオーシャンエントリーを最後に見学できたのが2011年の1月でした。ペレからのクリスマスプレゼントという感じでしょうか。

国立公園のチェーンオブクレーターズロードを終点まで行き、そこからハイキングです。かなりの距離になりそうなので、歩くかどうかは決めていかず、一応歩く用意だけはしていきました。チェーンオブクレーターズロードのヘアピンカーブの1/2マイル位手前に、一ヶ所オーシャンエントリーがよく見える場所があるのですが、そこから見た印象は「メチャ遠い!」でした。

よく見えるところまで行こうかなと思い歩き始めたのですが、溶岩の上を歩いていたらタイチョーの心に火が入ってしまい「行っちゃうぞ~!」に変わって老体に鞭を打って行って来ました。

iPhoneのGPSNaviのアプリをスタートし歩き始めたのが13:20。レンジャーステーションから800m舗装路を歩きます。(写真は全てクリックすると大きくなります)

遠くの崖には溶岩が流れキプカ(燃え残った森やブッシュ)を焼きながら流れる溶岩も見えました。これは夜望遠鏡で眺めるのがベストでしょう。昼間はオレンジ色の溶岩が見える日と見えない日があると思います。

2003年4月の溶岩流で道路は終わりです。ここからひたすら溶岩の上を歩きます。トイレも水の補給所もありません。全くの大自然の中に飛び込みます。

歩いてすぐに燃え残った標識が出てきます。この標識はこげた標識だったのですが、ある日無くなっていました。心無い人が盗んだのかわかりませんが、しばらくすると国立公園が新しい標識を付けたようです。たしかオリジナルはNo Parking の標識だったと思います。

その先にもSpeed Limit の標識もありましたが、それも支柱のみになってしまいました。ここからは数年前に立てられたビーコンを目印に歩きます。確か6本だと思います。ちなみにこれは2本目です。なぜか一本目が3、二本目が5とナンバーがふってありました。


オーストラリアで銅メダルを発見されている場所

6番目の(最後の)ビーコンはかなり内陸になるので、これに限っては位置だけ確認し、ビーコンに近づかずに今までの海までの距離感で歩きます。慣れない人は海に近づきすぎるといつの間にかデルタに入り込んでしまう事もありますし、海沿いは地形の起伏があり歩きづらいことが多いので気をつけましょう。

基本的にビーコンはよく見えるように少し小高い場所に立てられていますので、ビーコンの近くのフラットな所を歩きましょう。律儀にビーコンまで歩くと上り下りをしないといけませんので。

最後のビーコンを越えると後は石を積んだ目印があります。でもそこまで来たらオーシャンエントリーの蒸気を目指して歩く感じです。ビーコンの終わりからまだこんなに遠いです。

ここまで歩くとパリ(崖)の溶岩流もかなりよく見えてきます。双眼鏡で覗くと迫力ありました。こんな感じ。

途中いろいろなタイプのパーホエホエ溶岩がありますが、このタイプはなるべく歩くのを避けてください。この布をぐしゃぐしゃにしたような大きな折り目の付いたタイプは薄く固まり、中身が空っぽの所があり、踏むとパリンと割れて転んだりします。割れた所は非常にシャープで手をつくとザックリと切ってしまいます。

ビーコンからオーシャンエントリーまで45分かかりました。行きは休憩も入れて平均時速3.9kmでした。歩き始めて2時間でした。私は溶岩の上を歩く時にルート選びや足を乗せる場所など慣れているので普通の人は2時間半程度見ておけば着くと思います。まず私が目にしたのはサーフェイスフローでした。

ここから海沿いに20mほど歩き際まで行くとオーシャンエントリーがよく見えました。ここで気をつけなくてはいけないのはFumeという煙です。この煙は主に蒸気ですが、溶岩と水か反応した刺激性の強い硫黄酸化物が含まれます。目、鼻、のどの痛みを伴います。喘息の人には命取りになりますので絶対に行かないように。


何分割竹とは何?

ボタボタと垂れている感じです。温度はハワイにしては若干低めのようです。大きな流れに分けると3本のようです。手前の2本で1本、その奥、そして煙の奥に離れて1本。

ハワイ火山観測所の12/13のオーシャンエントリー写真

12/13の火山観測所の写真で滝のように垂れているのは私が撮った写真ですでにほぼ表面は固まっている手前のフローです。一つ前の写真の人がいるすぐ先に新しい溶岩が固まっていますね。その部分が13日の写真では滝のようになっています。この部分は表面はほぼ固まっていますが、中はチューブ状になりデルタをつくり海に注いでいます。

火山観測所の写真にはクリフの上に一つ大きなこぶがありますが、私の写真にはこぶが二つに増えています。刻一刻と変わっていきますので、今日、明日と同じ日はありません。

新しいオーシャンエントリーができてしばらくすると、クリフを流れ落ちる溶岩の表面が固まり、赤い溶岩が見えなくなる可能性が高まります。デルタから波打ち際に溶岩がチラッと見えるという状態になる事が多いです。そうなるとあまり見栄えがしなくなるので、できればできて間もない時に行くのが良いんです。

今後はこの崖が新しい溶岩で徐々になだらかになり、表面の流れは見えにくくなると思いますが、後ろからはこの流れ以外に新しいサーフェイスフローがいますので、このまま海に流れ込めば、しばらくは良い眺めが期待できるかもしれません。

わ~!と喜んでいたら、実に不愉快な光景が・・・・・

この壮大な自然の営みの中で、よくもまぁこんな真似ができるもんだ。このプラスティックは雨で解けて流れるのか?それとも誰かが掃除しに来てくれるのか?こんな事をする人間は自然の中に入ってこないで欲しいものです。もちろん町にもいらないけど。これがどういうことなのか理解できないのだろうか。これが海に落ちればイルカやウミガメなどが誤飲して命を落とすことにもなりかねない。こんな軽いもの持って帰れ!!!

いつもハイキングでごみを拾って帰る羽目になる。フアラライの割れ目噴火のハイクではでかいガロンの瓶をリュックに入れて帰る羽目になり重かった。今はまだ歩く人も少ないが、溶岩がもっと近い時には多くの人が歩き、トレイルにはチューイングガムが白く黒い溶岩の上に転々と落ちていたりする。タバコも腹が立つ。私が神なら絶対に天罰をくだすのだが。


ここで、カシオAL-1000は、考案されました

気を取り直して、オーシャンエントリーの約60m内陸のサーフェイスフローの写真です。
新しい溶岩が古い溶岩を埋めていき、パイの生地のように数万枚、数十万枚の層を積み重ねていき、巨大なハワイ島になった。

流れ出た溶岩は、凝固点の最も高いシリカから固まり始めます。温度が下がり粘度が増した表面はしわを寄せながら固まり、見事なRopy Lava(縄状溶岩)が生まれます。この時まだ鉄は解けた状態です。鉄の融点をはるかに下回る温度ですが、鉄は不純物が入ると融点が下がるので、このような状態でもまだ固まっていません。

布団の隙間からコタツの中が見えているようでした。赤外線~!

ドロ~っとマラサダからクリームが出るような感じ。時々Texでポンプでクリーム充填するときに、明らかに一回多くポンプしたでしょ!っていう、圧力でドバドバあふれ出すヤツあるんですよね。

あちこちでブレイクしていました。これが暗くなると、メチャきれいなんですよね。この状態だと夜はそこらじゅう真っ赤ですよ。よく見ると画面の中央より少し左上のカーブを描いて流れている縄状溶岩地帯は夜きれいだと思います。しわの一本一本が赤と黒のストライプになります。夜までいたかったけど、体力的に限界なのでトワイライトが残る時間に帰り着こうと4時に帰路につきました。

帰りはさすがに2時間では帰れませんでした。4時に出発して4時05分に一回目の休憩しました(だったらもう少し休んでから出発しろって・・・その通り) 溶岩の熱で汗をかきすぎ、すっかり脱水症状になってしまい、ふくらはぎを攣りそうになりましたので、甘いものでも食べながら休みました。

妻が用意してくれたお菓子袋をあさっていたらようかんが出てきました。まさか妻のおやじギャグ? 溶岩の上でようかん食う!? みたいなぁ? まさか。
とりあえずうまかったです。その後脱水のせいかちょっと気持ち悪くなり、ますます水が飲めなくなりしんどかった。足裏のマメにも悩まされました。

一部画像にお見苦しい点があったことをお詫びいたします。
体硬くて足の裏撮るの大変だった。これが限界の角度です。


最後にもし行ってみようと思った方へのアドバスです。

★晴れたらとにかく暑いです。草木の無い溶岩地帯は太陽からの輻射熱で地表が暖まるため、風は吹きますが気温が高めです。多目の飲料水を持参してください。最低2L。私は汗かきなので500mlのボトルを6本持っていきました。4本飲みましたが軽い脱水。

★明るい時間に帰るつもりでも、自然の中では何が起こるかわかりません。フラッシュライトを一人1本持参してください。夜まで滞在する場合は必ずスペアーのフラッシュライトを持参してください。最低でも代えのバッテリーは持参の事。

★タフな地面ですから、やわな靴では持ちません。丈夫で厚底な履き慣れたハイキングシューズで行っててください。

★お菓子などある程度カロリーの高い食べ物を携帯し、時々補給してください。

★天気が変わりやすいので帰りが夜になる場合はポンチョやレインウェアを持参してください。夜は体温が奪われ、かなり冷える事もありますので、ぬれると体力を奪われます。

★転ぶと必ず怪我をしますので手袋。これはかなり重要ですよ。

★5時間以上トイレがありませんので、出発前に必ず済ませましょう。

★ゴミは絶対に持ち帰ってください。火山はゴミ箱ではありません。神聖な大地です。

国立公園のページをリンクしておきます。

ハワイ火山国立公園 噴火情報

先ほどGPSのトラックを確認していたら、見学も入れて4時間45分ぐらいでした。もう少し長く観ていたかったのですが、日没の時間が迫ってたので早めに帰りました。国立公園のページには5時間半と書いてあります。このぐらいみたほうが良いと思います。

また何か大きな変化がありましたらご報告しますね。Aloha~!



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