日進気象台
(私設)日進気象台です。 |
校舎屋上から北西(定常風の風上)方向の静止画。夜間は停止。更新は30分ごと。観測値からは推定するしかない「天気(晴れか曇りか)」が一目でわかる。観測値の「日射量」と照合してほしい。4画面(2時間)分のページが出るが「6画面」(3時間)も選べる。上の「リアルタイム観測実況」内からも行ける。 配信時間は、気温でなく日照時間を基準にした季節によって、下記のように調整している。 春(2/1-4/30):6:00ー18:00、夏(5/1-7/31):6:00-19:00、秋(8/1-10/30):6:00ー18:00、冬(11/1-1/31):7:00-17:00 | |
数値のみ。本日・今月の極値はこちらが分かりやすい。 | |
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露点温度|海面気圧|風向風速|日射量|紫外線量|降水強度|雨量|体感温度| 予報英語
観測器の設置標高98m。気温は設置面から1.5m,風向風速は2.2mの高さの値。気圧の観測値は海面0mに補正してある。
英文の予報は、観測値の傾向だけから推定したものなので実用的ではない。
気温(Temperature)℃
気温は日内変動が大きいので最高気温と最低気温の差(日較差)が重要。晴天の日ほど日較差が大きい。雨の日では日中に最低気温を記録する場合もある。
暖候期(春分ー秋分)は25℃程度が快適。ただし最低気温が25℃を下回らない夏の夜は熱帯夜(拙宅の観測だと、窓をあけていても室内は外より2℃は高い、つまり寝床では熱帯夜は27℃以上を意味する)。
気温の低下速度は日没前から速い。
定点における気温の変動要因は、年周期(季節)、日周期(昼夜)、天気(晴雨)であり、日レベルの観測では日周期が顕著に表現される。ちなみに一日での最高気温は、毎日観測した結果では季節を問わず午後3時頃になる。最低気温は日の出直後。
地元気象台の気温は露場(ろじょう) という芝生の上の日陰で測られるので、緑が少なくアスファルトとコンクリートに囲まれた都市住民は地元気象台発表の気温よりも数度高温の環境にいることを知ってほしい。たとえば「名古屋」の気温は、実際には千種区本山の名古屋地方気象台の芝生の上の気温であって、名古屋市全体の平均的気温ではない(栄などは常に高いと思う)。
もちろん気温が高いほど真夏は熱中症になりやすい。都市住民は特に、地元気象台の気温よりも体感温度は高くなるので、真夏は注意が必要。日陰のないグラウンドや体育館で運動中の人は熱指数(熱中症の危険度)の値も参照してほしい。
ちなみに日進の設置場所は、日なたであるが海抜98mなので、標高の影響だけでも理論的には、名古屋港よりは0.6〜1℃程度低い(海� �0mの所と比較してという意味。実際には日中では海沿いの方が気温は低い)。
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相対湿度(Humidity)%
相対湿度(略して「湿度」といわれているが、実は「絶対湿度」という別物もある)は大気の水蒸気量そのものではなく、現在の水蒸気量と今の気温での大気が保有できる最大水蒸気量との比率。だから気温が変化するだけで湿度も変化する(気温と逆相関し、露点温度(次項)と相関する)。特に夜間の湿度増大はまずは気温低下による効果と解釈して、すぐさま雨になるとは予想しないこと。
逆に言えば、気温が下っていないのに湿度が上がっている場合は、大気が湿ってきていることを意味する(露点温度が上がっている)。
雨天の時は90%を超える。だから湿度がどんどん上昇して80%を越えたら雨が降ると予想していい。湿度が50%位なら、気温が高くてもけっこうしのげる。冷房が苦手な人は除湿で� ��適にしよう。
逆に湿度が低すぎると乾燥注意報が出る(名古屋だと最小湿度30%以下)。空気が乾燥していると、皮膚はかさかさになり(気温が高いと蒸発量も増えて水分不足に)、冬はインフルエンザにかかり風邪やすく、火事も起こりやすい(強風畤はなおさら)ので注意。洗濯物は乾きやすいが。
湿度の変動要因は、天気、日周期、年周期、風向である。気温の関数なので日周期が強く表現されるが、露点温度との関連性により、気温よりは周期性が弱い。
露点温度(DewPoint)℃
気温の影響を受けない水蒸気量の指標(そのかわり気圧の影響を多少受ける)。気象観測では相対湿度よりも重要。聞きなれない用語だが、冷たいグラスに水滴がつく時のグラスの表面温度(結露温度)のこと。晴天でも夜露に濡れるのは、気温が露点温度まで下がった(相対湿度100%)時の現象。
だから露点温度は翌朝の最低気温の予想に使える。夏なら、冷房をガンガンかけて室内をこの温度まで下げると窓が結露する。
露点温度が与えられたら、必ず気温との差(気温露点差)をチェックすること。
気温露点差(古い・不適切な表現では「湿数」)が少ないほど大気は湿っている。気温露点差が3(℃)以下だと降水の可能性。相対湿度の増大が、気温低下のせいでなく、露点温度が増大して気温露点差 が減ったためなら、雨になるかもしれない。いくら相対湿度が上がっても、露点温度が変化しなければ 水蒸気量の異なる、すなわち湿った/乾燥した空気になっているとはいえない。
では水蒸気量の異なる空気にどうやって変化するのか。主として風による流入である(だから風向・風速も大切)。
また気温露点差×125がおよその雲底高度(m)とみなせることは覚えておくとよい。
たとえば気温露点差8だと雲底高度は1000m。雨が降っておかしくない気温露点差3だと375m。気温露点差0(湿度100%)なら霧(地表の雲)が出てもおかしくない。だから雲底高度が下がることは、気温露点差が下がっている、つまり空気が湿ってきていることを意味する。猿投山(600m)に雲がかかると、気温露点差は4(頂上だけなら4.8)に下ったことになる。もうじき雨になると思っていい。
露点温度も日� �変動をしている。日中は地面の蒸発が盛んなためか露点温度も下がり、夜間は増える。ただし気温の変動よりは前にずれていて、正午くらいが最低で、夜明け前の夜中に最大になる。午前中は気温が高くても空気がさっぱりしているわけだ。
露点温度の変動要因は、気圧よりも天気、風向などが大きく、周期性には乏しいようである。
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海面気圧(Barometer)hPa
観測地の現地気圧でなく、観測された気圧を海抜0mでの気圧に変換した値。そうしないと高度が違うあちこちの観測地の気圧を比較できない。
気圧は高気圧・低気圧の接近、あるいは前線の通過などで大きく変化する。そのため、「気圧計」はおおざっぱな天気予想に使われてきた。
ただ気圧の変化要因として、そのほかに大気の潮汐効果(12時間振動)で1日2回、2hPa程度増減する(極大 9-10時・21-22時、極小 3-4時・15-16時)。
なので気圧は日内変動よりも数日間の傾向(トレンド)を把握した方がよい。
従って、気圧の変動要因は、定常的な12時間周期と、非定常的な気圧配置とに分けられる(またゆるい年周期もある)。
天気との関係では、気圧が低下すると上昇流が起きている可能性があるので、雲が生じて悪天候になる可能性はある。
ただし気圧の絶対値が問題なのではなく、変化傾向の方が重要。台風の接近・通過時などは一日内で大きく変動する。
変化傾向(英文)は、3時間前からの気圧の変化をもとにしている。 ただし天気と無関係の潮汐による日内変動も反映されるので注意。
風向・風速(Wind-Direction・Wind -Speed)
風向は16方位( たとえばSSW=南南西)、風速は秒速(m/s)。左とメーターに記録されるのは10分間の平均風速(気象庁のアメダス値も)。日最大瞬間風速は上段のメーターの下に表示される。日進の 時系列グラフは最大瞬間風速(Hi Wind Speed)にしてある。
設置場所の都合で、北東側20m先に構造物が、また北東・東方800mに御岳台の丘陵(最高地点134m)があるので、そちら側の風は正しく捕捉されないかもしれない。ただ、このあたりは名古屋一帯と同じく北西の風が卓越する傾向にあるようだ。
そもそも風は高・低気圧の影響(等圧線が混む)などのほかに、海洋(伊勢湾)と山地(伊吹山・三河高原)の温度差によっても吹く。つまり風上(吹出し口)とは高圧部か低温部を意味する(風はさまざまな力で曲げられるでの風の吹出し口は風向の直線上には無いが)。
風は異質の空気を運んでくるので、風向から大気状態の予想ができる。通常、南寄りの風は湿った暖かい空気を運び、北寄りの風は乾いた冷たい空気を運ん� �くる。西風は上空の偏西風が下降してきた強風でありがち。東風は南西に低気圧が近づいている場合の悪天候のきざし。
もっとも海・山の地形の影響があるのでその点も考慮すべき(日進では昼は関ヶ原・伊吹山からの北西寄りの風、夜間は三河高原からの東寄りの風が多いはず)。
風速(10分間平均)は気圧の変化が大きい空間で強い(台風のように)。風速が強いほど異質な空気の流入も速いということ。その結果、湿度だけでなく気温変化も大きいと予想できる。
海風と陸風が入れ替わる朝夕二回に風が止まる凪(なぎ)を迎える。日変化では地表の気温が上がって不安定になる日中に強くなり(上空の強風が降りてくる)、逆に安定する夜明けには弱くなる(平均的に最小=6時、最� �=15時)。
すなわち風速の変動には、水平地形効果と鉛直温度分布効果の2重の24時間周期がある。「風の息」といわれる、細かな変動については周期が見当たらないようである。
ちなみに風速2mは頬をなでる軽風、5mで髪の毛が乱される和風。10m以上は強風注意報基準の雄風。15m以上は被害が出はじめるまさに強風。25m以上は台風のまっただ中にいるような暴風で体重の軽い老人などが風にあおられて事故が起きる。
ただしこれは実感に近い瞬間風速の方で、アメダスなどの気象情報として与えられる(10分間平均)風速からは、その2倍程度の値が瞬間風速(実感)と思えばよい(この比を突風率という。突風率は周囲の地形や建物によっても異なる)。ただし平均風速が強いほど突風 率は小さくなるという(1.2倍程度)。
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日射量 (Solar Radiation)
観測地の全天で受け取る太陽エネルギー量(直射だけでなく大気の散乱も含む)。本器での単位は1m四方当りのワット数。観測値の日射量は太陽の角度と雲と大気の混濁の影響で変化する。
日射量が多いほど、空が明るく澄んで、紫外線が強く、植物の光合成量が多い。もちろん気温も高くなりがち。最近は太陽光発電のためにも日射量の計測が求められている。
日射量(∝紫外線量)は太陽が南中する正午頃が一番強い(日本標準時の明石なら正午。それより東の名古屋は11時半頃)。
といっても地面の照度ではなく、日の出・日没を境に0になる(空は少しは明るいのに)。理論的最大値は大気外での照射量である1367W/m2(太陽定数)。日本では1000W/m2程度。
日周期・年周期のほかに天気(雲� ��・大気の浮遊物)の影響をうける。
逆に言えば日射量は昼間の天気の目安にもなる。すなわち日射量が安定して高い値(日中では800以上)を出していれば「晴れ」。日射量がずっと低くて(日中でも300以下)雨量強度が0なら雲に覆われた「曇り」(曇天)。雨量強度があるなら「雨」となる。
ちなみにアメダスでは日照時間が計測されているが、120W/m2以上の直達日射量で「日照あり」としている。
紫外線量(UV)
紫外線は可視光線より波長が短い太陽光線の1種で、ビタミンDの合成や皮膚病の殺菌作用などもあるが、最近では肌や目への悪影響が懸念されて悪役になっている(オゾンホールのせいで有害紫外線が地上に来ているため)。
紫外線量は全天日射量の一部のため、それとおよそ比例する。日射量と同じく11時半すぎに最大値となり、午後4時すぎると早朝なみに下がる。紫外線の方は散乱・反射するため、日射量とちがって日陰や雨天でも浴びてしまう。紫外線はさらに細かく以下の3つに分けられる。
UV-A | 315−400nm | メラニン色素に吸収されるため皮膚が褐色になる(炎症後色素沈着=サンタン)。実害はないが、長年浴び続けるとシミ・シワになる。 |
UV-B | 280-315nm | オゾン層で吸収されるが一部が地上にきている。赤く皮膚がやけどした状態(日光皮膚炎=サンバーン)。皮膚ガンになるといわれている有害紫外線。最近問題になっているのはこれ. |
UV-C | 100-280nm | 非常に有害だがオゾン層などで吸収され、地上には来ない(今のところ)。 |
紫外線の皮膚に対する影響は、肌の性質(スキンタイプ=メラニン色素の量)によって異なり、メラニン色素が少ない色白な人ほど UVAよりもUVBを吸収しやすい。白人はサンバーンタイプ(赤くなる)で黒人はサンタンタイプ(黒くなる)。日本人は中間タイプ。ただしすべての人種で、メラニン色素量:男>女 の性差がある。日本女性は白人女性よりは紫外線の悪影響は少ないが、日本男性よりはケアをした方がいいということ。
UV Index:紫外線量の評価には、有害性の強いUV-Bの強さを強調して、身体へのダメージの指標そのものとしたUV Indexという指標が使われている。これは0から10以上までの指標で、 値の意味は以下の通り。
WHOの基準 | Davis社のマニュアル |
0−2:弱い。安心して外出 3−5:中程度。できるだけ長袖・帽子・クリーム 8−10:非常に強い。必ず長袖・帽子・クリーム 11〜:極端に強い。外出を避ける。 | 0−2:微小 3−4:低い 5−6:中程度 7−9:高い 10以上:非常に高い |
この基準はメラニン色素の少ない(サンバーンになりやすい)白人向けなので、黄色人種にとってはやや鈍感な対応でいいようだ。でも8を越えたら要注意。
東京の「ひぐらし気象台」の値と比べると、名古屋は南にある分だけ紫外線が強いことが分かる(論文にした)。だから地肌の白い人(女>男)はなお一層の防御が必要。たとえば夏の11時半には12を越えるので、この時間帯に外出するのはやめた方がいい 。
ただUVIndexではいったいどのくらいの時間で紅斑(UV-Bによるサンバーン)を起こすかがわからない。そこでUVDoes。
UVDoes:有害紫外線の影響は(他の放射線と同じく)累積量でみるべき。そのためには、瞬間量のUVindexより紫外線照射の積算量であるUVDoesの方が適している。単位はMEDsで、1MEDsは最小紅斑(日焼け)を引き起す値。
日焼けは皮膚のメラニン色素量(スキンタイプ)によって異なるので、基準をスキンタイプIII(Light Brown,Burns moderately,tans gradually)に設定してある。このスキンタイプだと1MEDsはおよそ30mJ/cm平方。
UVDoesも10分ごとに計測されるので(ただし経時グラフのみ表示)、外出時間帯のUVDoes値(グラフから読む)を合計すればその日の積算量となる。
たとえばある1時間内の10分間UVDoesが 0.25だった場合、その1時間で浴びる有害紫外線量は 0.25×6=1.5MEDsとなり、最小紅斑を超えた日焼け状態になることがわかる。
もし日焼けを防ぎたいのなら、計算されるMEDs値と等しいSPF値の日焼け止めを塗ればよい。
降水強度(Rain Rate)
1時間雨量(mm/hr)で表現した現在の雨の強度。この数値が0以外なら、現
在雨が降っている。ただし0.5mm未満の小雨である場合、あるいは降り始めてまだ0.5mmに達してない場合は0のままとなっている。実際には10秒毎で変わるので、瞬間降水強度と解釈すべき。
雨量データのグラフは10分単位の計測なので、10分間に3−4ミリ(1時間に20ミリ)の雨なら「強い雨」(大雨注意報基準)、5ミリ(1時間に30ミリ)なら「激しい雨」(大雨警報基準)。大雨警報が出たら、道路が冠水するおそれがあり、川は増水するので遠ざかること。ただし瞬間強度の場合60mmというすごい数値が出ても10秒間なら心配ない。
日雨量(Today's Rain)mm
午前0時から24時までの積算雨量。正規の1時間雨量はここで確認できる。午前0時をまたいだ降雨は値が分断される。
総雨量(Storm Rain)mm
1回の降水での連続雨量。30mm以上なら大雨。100mm以上から土砂災害の可能性。200mm以上は土砂災害に要注意。「日進」は「星が丘」(名古屋市千種区)より雨の頻度が多い気がして、それを確認するのもこの観測の目的。
月雨量(Monthly Rain)
月積算雨量mm。ちなみに月平均降水量は140mm程度。少ないときは水源池の貯水量を気にしよう。6-7月と9月は短い雨季なので平均を上回るのが普通。
体感温度
1.風冷指数(Wind Chill) ℃
風を考慮した体感温度。冬季用。北風の寒さ(皮膚への冷却効果)を評価して気温より下る。凍傷などの危険に利用。なので北国や雪山以外では不要。まぁ名古屋近郊であれば、"伊吹おろし"の時に気温より下がるかも。
2.熱指数(Heat Index)℃
湿度を考慮した体感温度。夏季用。蒸し暑さ(汗の蒸発のしにくさ)を評価して気温より上がる。冬春は湿度が低いので気温より低く出るが、夏は気温以上になる。熱指数が41℃以上になったら熱中症の危険(死亡するおそれ)があるので屋外での作業は控える。
3.THW(Temperature-Humidity-Wind).蒸し暑い夏でも風があれば涼しく感じられることを表現した指標。風があれば THWは熱指数より低い(気温<体温の場合)。ちなみにTHWに太陽光の加温効果を入れたTHSW(晴天時の屋外での実感に最も近い体感気温)は計測値は表示されないがグラフが表示される。
予報英語(逐次追加)
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